大瀧ジャッキは、2005年1月から2月にかけて、女神大橋(長崎県)の斜ベント(黄色部分)撤去工事に関わりました。斜張橋架設工事での架設後に不要となった斜ベントの降下作業をワイヤークランプ装置にておこないました。2本の主塔にそれぞれ中央径間側・側径間側があり、合計4つの斜ベントをそれぞれの主塔にてほぼ同時施工しました。
使用台数 | 両主塔合わせて48台 |
斜ベント総重量 | 約8300kN |
ワイヤー1本あたりの最大張力 | 約730kN |
中央径間側は主塔下部のピン支点を中心に回転をさせ、降下を行いました。約65mの降下作業はそれぞれ1日で完了しました。
側径間側は主塔を挟んだ両支点から吊下げをおこない、6支点でのワイヤーを調整しながら主塔下をスイングさせて、降下を行いました。スイングさせながらの降下作業もそれぞれ2日で完了しました。
桁上のジャッキ設置位置から斜ベントを吊ったワイヤーには、最大で48度の折れ角が発生しました。ワイヤー張力約730kNで折れ角48度、かつ小型なワイヤーシーブであること、という条件に対応するために、特殊プラスチック成型ワイヤーガイドを新規に実験・開発し、桁内部に設置してワイヤーをサポートしました。
ワイヤークランプ装置は、専用操作 盤によって操作します。
1サイクル約450mmの降下作業は、1ボタンプッシュで自動運転をおこない ます。
今回は、複数の操作盤を連動運転することによって、同時に複数のジャッキの制御をおこないました。 また、各操作盤と管理計測PCの接続によって、各ジャッキ状況の一元管理と、同時停止をおこなうシステムを開発しました。
そして、敏速・円滑に解体・撤去作業が完了しました。